夏目ナナは万能であった。史上屈指の嬢として名を残すに違いない彼女の、いくら惜しんでも惜しみきれない、いくらヌイてもヌキすぎることのない引退作品である。AVのあらゆる可能性に挑戦してきた彼女だからこそ、最後はじっくりとセックスを感じてみよう。「セックスというのは人間にとって大事なのよ、からみ、じゃなくてシンプルなセックスを見て欲しいな」。コスプレもなく、何の奇もてらいもない、根本的にある性欲・本能を刺激するセックスを最後にしてみたい、と彼女は言う。その一部始終はここでは明かさない。このAVを見る各々が感じてくれればそれでいい。「これからもファンとのイベントを大切にしたい。今までのビデオをおちむちむがすりきれるくらい見て欲しい」。フィナーレにも涙がないところが彼女らしくていい。からみじゃないのよ涙は。思えばデビューからこのファイナルまで、ずっと彼女は彼女らしかった。ナチュラルボーンなAV嬢であった。AVには電動Vはあっても殿堂はない。もしもAVに殿堂があれば歴代の名だたる女優とともに彼女の名は間違いなく刻まれることであろう。